ブログ
Blog
Blog
生活習慣の見直しをおこなっても、悪循環に陥った頑固な便秘に苦労することも多々あります。
その時は、薬の助けをかりて悪循環をきることも考慮します。
薬物療法には、内服薬と坐薬、浣腸によるものがあります。
内服薬は種類がたくさんありますが、その機序から
“腸内細菌のバランスを整えるプロバイオティクス”
“腸管内の水分を増やすことで便の量を増加、やわらかくする機械性下剤”
“腸管を刺激して蠕動を促す刺激性下剤”
が主にあります。
また、
“習慣性があるもの”
“習慣性がほとんどないもの”
に分けられます。
薬によっては長期間内服していると、だんだん効かなくなってきて、薬の量を増やさないといけないものもあるため注意が必要です。
“腸管内の水分をふやすことで便の量を増加、をやわらかくする薬”の代表は酸化マグネシウムです。
習慣性が少なく長期間の投与も可能な薬ですが、高齢者や腎機能能障害者では血清マグネシウム濃度の上昇に注意する必要があります。
“腸管を刺激して蠕動を促す刺激性下剤”のなかで、よく使われているのはセンナやダイオウ、アロエなどです。長期連用によって耐性が出現し、薬の量が増えてしまうことがあり注意が必要です。大腸内視鏡検査の前に使用するピコスルファート(ラキソベロン)も刺激性下剤ですが、習慣性が少ないのが利点です。
ほかにも、便秘と下痢を繰り返すような過敏性腸症候群に効果的な消化管運動調整薬や、漢方薬、最近新規開発された下剤などたくさんの種類がありますが、便秘のタイプによって使い分けます。
一般的には、生活習慣の改善と“腸管内の水分をふやすことで便をやわらかくする薬”を基本として(これだけでも十分効果のあがるかたもいます)、“腸管を刺激して蠕動を促す刺激性下剤”を適宜追加、併用して便秘のコントロールをおこないます。
便通のリズムが改善すれば、適宜くすりの減量、中止が可能なこともあります。
※下剤の使用にあたっては、必ず医師の診察をうけてください。
腸の狭窄や閉塞、多量の硬便のある場合には、下剤の使用により腸管内圧が上昇し、腹痛や腸穿孔を起こすことがあります。