NEWSお知らせ
2026.4.16 血便について
血便は痔だけではありません
――早めの受診が必要な症状と内視鏡検査の重要性
日常の排便の中で「便器が赤くなった」「トイレットペーパーに血がついた」といった経験をされる方は少なくありません。
「ただの痔(じ)だろう」と自己判断して様子を見てしまうケースが非常に多いですが、血便は消化管(食道、胃、十二指腸、大腸、肛門など)のどこかで出血が起きているという、身体からの重要なサインです。
自己判断せず、原因を特定して適切な対応をとることが大切です。
1. 血の色で考えられる原因と出血部位
血液の色や便の状態によって、どの部位から出血しているか、ある程度の目安をつけることができます。
-
鮮血便(鮮やかな赤い血)
主に肛門や、肛門に近い直腸・下部大腸からの出血が疑われます。代表的な原因には痔(いぼ痔・切れ痔)がありますが、直腸がんやポリープ、急性出血性大腸炎などが隠れていることもあります。
-
暗赤色便(暗い赤・赤黒い血)
大腸の奥側(上行結腸や横行結腸など)からの出血が疑われます。時間が経過して血液が便と混ざり合うことで暗い色になります。主な原因として、大腸がん、進行した大腸ポリープ、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患、大腸憩室(けいしつ)出血などが考えられます。
-
黒色便・タール便(真っ黒で粘り気のある便)
胃や十二指腸、食道などの「上部消化管」からの出血が強く疑われます。胃酸と血液中のヘモグロビンが反応することで、イカスミのように黒い便(タール便)になります。胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんなどが代表的な疾患です。
2. 血便に関するよくある誤解
誤解①:「お尻が痛くないから、痔ではない(=大腸がんなどの重い病気だ)」
実は、もっとも頻度の高いいぼ痔(内痔核)は、初期段階では痛みをほとんど伴いません。「痛くないのに出血したから重大な病気だ」と過度に不安になる必要はありませんが、逆に「痛くないからただの軽い痔だろう」と放置するのも危険です。専門医による正しい診察が不可欠です。
誤解②:「血便が1回きりで消えたから、もう治った」
ポリープや初期の大腸がんは、硬い便が擦れたときなど一時的に出血するため、毎日出血するわけではありません。一度血便が出た後に自然と消えた場合でも、病変自体が消失したわけではありません。「1回だけだったから大丈夫」と思わず、一度検査を受けることが推奨されます。
3. 早めの受診が必要な症状の目安
以下のような症状を伴う血便は、速やかに専門の医療機関を受診してください。
-
血便に加えて、お腹の張り、強い腹痛、または持続する鈍痛がある
-
発熱、急激な体重減少、全身の倦怠感を伴う
-
めまい、立ちくらみ、息切れ、動悸など貧血の症状がある
-
便が細くなった、下痢と便秘を繰り返すなど、便通異常が続いている
-
排便後に「粘液(どろっとした分泌物)」と血液が混ざったものが付着する
4. 医療機関で行う主な検査
血便の原因を明らかにするために、当院では患者様の状態に応じて以下のような検査をご提案しています。
-
直腸指診・肛門鏡検査
肛門付近の痔や直腸の病変の有無を、直接医師が確認します。
-
大腸カメラ(大腸内視鏡検査)
大腸全体の粘膜を直接観察し、出血の原因(大腸がん、大腸ポリープ、大腸炎など)を特定するための最も確実な検査です。疑わしい病変があれば、その場で組織の一部を採取して精密検査(病理検査)に回したり、ポリープであればその場で切除することも可能です。
-
胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)
便が黒いタール便の場合など、食道・胃・十二指腸からの出血が疑われる際に行います。
5. 横浜内科おなかクリニックでの取り組み
当院では、おなかの不調や血便でお悩みの方が少しでも安心して受診できるよう、丁寧な問診と診察を行い、必要に応じて血液検査や内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)を実施しています。
内視鏡検査に対して「苦しい、痛いのではないか」といった不安をお持ちの方も多いかと思いますが、当院では患者様の不安に寄り添い、鎮静剤の使用や丁寧な操作技術、最新設備の導入などにより、できる限り苦痛を抑えた、体に負担の少ない検査体制の構築に努めています。
「これくらいで受診してもいいのかな」とためらわず、まずは一度、お気軽にご相談ください。
※本記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、症状や病状に応じて必要な診察・検査は異なります。個々の症状に合わせた対応が必要ですので、必ず医師にご相談ください。
