横浜内科おなかクリニック

thyroid disease甲状腺疾患

甲状腺機能亢進症Hyperthyroidism

甲状腺機能亢進症とは

甲状腺機能亢進症とは、首の前側にある「甲状腺」から分泌される甲状腺ホルモンが必要以上に多くなり、全身の代謝が過剰に活発になる病気です。
甲状腺ホルモンは、体温調節・脈拍・エネルギー消費・自律神経の働きなど、身体を正常に保つために重要な役割を担っています。そのため、ホルモンが過剰になることで、動悸・発汗・体重減少・疲れやすさ・手の震えなど、全身にさまざまな症状が現れます。
代表的な原因としては「バセドウ病」が知られており、自己免疫の異常によって甲状腺が刺激され続けることで発症します。そのほかにも、一時的な甲状腺の炎症などによって起こる場合があります。
初期の症状は、疲労やストレス、更年期症状などと似ていることも多く、「なんとなく体調が悪い」という状態が続くだけの場合も少なくありません。放置すると、不整脈や心臓への負担が強くなることもあるため、気になる症状が続く場合には早めの検査・診断が大切です。

このような症状はありませんか?

  • 動悸・脈が速い
  • 手の震え
  • 汗をかきやすい
  • 暑がりになる
  • 疲れやすい
  • 食欲があるのに体重が減る
  • イライラしやすい
  • 不眠
  • 息切れ
  • 下痢気味になる
  • 首の腫れ
  • 眼球が出て見える(眼症状)

「疲れやストレスだと思っていたら、甲状腺の病気だった」というケースも少なくありません。

主な原因

バセドウ病

甲状腺機能亢進症の中でも最も多い原因が「バセドウ病」です。
自己免疫の異常によって、甲状腺を過剰に刺激する抗体が作られ、甲状腺ホルモンが必要以上に分泌されることで発症します。
20〜40代の女性に多い病気ですが、男性や高齢の方でもみられます。動悸・体重減少・手の震え・発汗などの症状に加え、眼球が前に出る「甲状腺眼症」を伴うこともあります。

無痛性甲状腺炎

甲状腺に一時的な炎症が起こり、内部に蓄えられていた甲状腺ホルモンが血液中へ漏れ出すことで発症します。
名前の通り痛みを伴わないことが多く、出産後やストレスをきっかけに起こる場合があります。症状は一時的で、自然に改善するケースも少なくありません。

亜急性甲状腺炎

ウイルス感染などをきっかけに甲状腺に炎症が起こる病気です。
発熱や首の痛み、だるさを伴うことがあり、炎症によって甲状腺ホルモンが一時的に多くなることで、甲状腺機能亢進症の症状が現れます。

検査について

甲状腺機能亢進症が疑われる場合には、症状や脈拍、首の腫れの有無などを確認したうえで、血液検査を行います。
血液検査では、甲状腺ホルモン(FT3・FT4)や甲状腺刺激ホルモン(TSH)の値を調べ、必要に応じて自己抗体検査を行います。また、甲状腺の状態を確認するために、超音波(エコー)検査を実施することもあります。
検査結果をもとに原因や状態を総合的に判断し、適切な治療をご提案いたします。

治療について

甲状腺機能亢進症の治療は、原因や症状の程度、患者さまの体調に応じて適切な方法を選択します。

薬物療法

主な治療として、甲状腺ホルモンの分泌を抑える「抗甲状腺薬」を使用します。
定期的に血液検査を行いながら、ホルモン値や体調の変化を確認し、薬の量を調整していきます。症状の改善には継続的な治療が大切です。

症状を和らげる治療

動悸や脈の速さ、手の震えなどの症状が強い場合には、脈を整える薬を併用することがあります。
つらい症状を軽減し、日常生活を過ごしやすくするための治療です。

専門治療

病状や経過によっては、放射性ヨウ素治療や手術などの専門的な治療が必要となる場合があります。
その際は、専門医療機関と連携し、適切なタイミングでご紹介いたします。

甲状腺機能低下症Hypothyroidism

甲状腺機能低下症とは

甲状腺機能低下症とは、首の前側にある「甲状腺」から分泌される甲状腺ホルモンが不足し、身体の代謝が低下する病気です。
甲状腺ホルモンは、体温調節や脈拍、エネルギー消費など、身体のさまざまな働きを支える重要なホルモンです。そのため、ホルモンが不足すると、疲れやすさやむくみ、寒がり、体重増加など、全身にさまざまな症状が現れます。
症状はゆっくり進行することが多く、「年齢のせい」「疲れがたまっているだけ」と見過ごされることも少なくありません。気になる症状が続く場合には、早めの検査が大切です。

このような症状はありませんか?

  • 疲れやすい・だるい
  • 眠気が強い
  • 寒がりになる
  • むくみやすい
  • 体重が増えやすい
  • 便秘になりやすい
  • 皮膚が乾燥する
  • 汗をかきにくい
  • 気分が落ち込みやすい
  • 物忘れが増える
  • 声がかすれる
  • 脈が遅くなる

主な原因

橋本病(慢性甲状腺炎)

甲状腺機能低下症の最も多い原因が「橋本病」です。
自己免疫の異常により、甲状腺に慢性的な炎症が起こることで、徐々に甲状腺ホルモンを作る力が低下していきます。初期は症状が目立たないこともありますが、進行すると全身の代謝低下につながります。

甲状腺の治療後

バセドウ病などに対する放射性ヨウ素治療や手術の後に、甲状腺ホルモンが不足することがあります。治療によって甲状腺の働きが抑えられたり、甲状腺の一部が減ることで起こるため、治療後も定期的な確認が大切です。

加齢やその他の原因

加齢によって甲状腺の機能が低下することがあります。また、一部の薬剤やヨウ素の摂取バランスの影響などが関係する場合もあります。まれに、甲状腺以外(下垂体など)の異常が原因となることもあります。

検査について

甲状腺機能低下症が疑われる場合には、症状や身体所見を確認したうえで、血液検査を行います。
血液検査では、甲状腺ホルモン(FT3・FT4)や甲状腺刺激ホルモン(TSH)の値を調べ、必要に応じて自己抗体検査を行います。また、甲状腺の状態を確認するために、超音波(エコー)検査を実施することもあります。
検査結果をもとに、原因や状態を総合的に判断し、適切な治療をご提案いたします。

治療について

ホルモン補充療法

甲状腺ホルモン製剤を内服し、不足しているホルモンを補います。
定期的に血液検査を行いながら、症状やホルモン値に合わせて薬の量を調整していきます。

継続的な経過観察

甲状腺機能低下症は、長期的な管理が必要となる場合があります。
無理なく治療を続けられるよう、一人ひとりの状態に合わせて診療を行います。