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胃食道逆流症(GERD)非びらん性食道逆流症、逆流性食道炎Medical

胃食道逆流症(GERD)とは、胃酸が胃から食道に逆流することで炎症を引き起こす病態のことをいいます。
内視鏡検査で食道粘膜の障害を認めない非びらん性胃食道逆流症(NERD)と食道粘膜の障害を認める逆流性食道炎に分類されます。
報告にもよりますが、逆流性食道炎は4―20%くらいの有病率といわれています。

    内視鏡検査
胃食道逆流症(GERD) 非びらん性食道逆流症(NERD) 食道粘膜障害なし
逆流性食道炎症 食道粘膜障害あり

主な症状

胸焼け、呑酸、胸痛、つかえ感、逆流症状、げっぷなどが主な症状ですが、食道以外の症状として、のどの違和感や声枯れの自覚することもあります。また、慢性咳嗽や気管支喘息の原因となることもあります。

原因

胃食道逆流は、食道粘膜が胃酸の過剰な暴露によって引き起こされます。
胃粘膜は胃の粘液により胃酸から防御する仕組みをもっていますが、食道はないため、胃酸により粘膜に炎症を起こしてしまいます。
食べ物を嚥下すると食道と胃のつなぎ目にある下部食道括約筋が緩むことによってスムーズに食べ物が胃の中に送り込まれますが、その後、胃から食道への逆流を防ぐために括約筋が締まります。この括約筋の緩みが高頻度に起こるなど異常があると胃酸が食道に逆流し、炎症を引き起こします。また、腹圧の上昇などによっても逆流が生じると考えられています。

リスク

肥満、食道裂孔ヘルニア(食道と胃のつなぎ目である食道裂孔が緩んでいる状態)、妊娠、喫煙、生活習慣(暴飲暴食、油の多い食事、飲酒やコーヒー)が悪化の原因となります。
また、60歳以上の女性では頻度が多く、脊椎後弯が考えられています。

検査

上部内視鏡検査(胃カメラ検査)

胃食道逆流症(GERD)が疑われた場合には内視鏡検査をおこないます。
内視鏡検査では、食道粘膜障害を認める逆流性食道炎か食道粘膜障害を認めない非びらん性胃食道逆流症(NERD)を調べます。また、食道裂孔ヘルニアの存在も確認します。当然ですが、同時に胃の観察もおこないますので、ピロリ菌により引き起こされる萎縮性胃炎の有無も確認します。

内視鏡検査で食道粘膜障害が認められた場合には逆流性食道炎と診断されますが、重症度としてLos Angeles分類(LA分類)がよく使われています。

また、食道内酸逆流の評価には24時間pHモニタリング検査も有用です。鼻から胃のなかに細い管を挿入して、食道と胃の中のpHを24時間測定します。(当院では施行できないためご紹介させていただきます)。

治療

症状のコントロールが治療の目標となります。
頻度は低いものの、合併症として貧血、出血、食道狭窄、バレット食道さらには食道腺癌の発生がありますので、症状のコントロールに加えて合併症の予防も重要となります。
治療は主に生活習慣の改善と薬物療法をおこないます。

生活習慣の改善

・禁煙
・体重のコントロール

肥満による腹圧の上昇により、胃酸の逆流を引き起こしやすくなります。

・食事や生活の見直し

胃酸を過剰に分泌されるような食事、たとえば暴飲暴食、あぶらの多い食事、甘いもの(チョコレートなど)、刺激物、飲酒は避けるようにしましょう。また、1回の食事は時間をかけてよく咀嚼するようにしましょう。食後2−3時間は横にならないようにしましょう。

薬物療法

制酸剤(PPI)の内服をおこないます。PPIは優れた症状改善および食道炎の治癒効果があり、安全性も高いため、第一選択薬として推奨されています。比較的すみやかに症状の改善を認めることが多いですが、症状に応じて薬の増減や中断、維持療法を選択していきます。

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